42歳女性 時間が一番の薬 無理をしない

 

42歳女性 時間が一番の薬 無理をしない

私は40代の女性です。

20年ほど前に、友人宅で産まれた雑種の子犬をもらいました。

彼は私にとってかけがえのない友人であり兄弟であり子どもでした。

当時まだお年頃だった私は、親には言えない悩みを打ち明け、秘密を分かち合ってもらいました。

母を亡くした際も、家族の前ですら泣けなかった私は、彼を抱きしめてこっそり涙を流しました。

18年がたち、彼も年老いて、若い頃には当たり前にできていたことが難しくなり、介護が必要になりました。

私は独身でしたが会社員だったので、夜中に何度も起きなければならない介護生活は大変でしたが、今までの恩返しだと思い、精いっぱいお世話しました。

ある日「なんとなく元気がないな」と思っていたら、夜中に激しいけいれんを起こしました。

翌日の朝一番に獣医の往診を受けましたが、高齢で手の施しようがないとのことでした。

とてもさみしく胸がつぶれるような思いでしたが、痛みと苦しみは取り除いてもらえるよう鎮静剤を処方して頂き、最期の時間は住み慣れた我が家でゆっくりと過ごすことにしました。

それからの数日間は、寝ているのか起きているのか、朝なのか夜なのかわからないような時間でしたが、その時はやってきました。

ろうそくの炎が消えるように、彼は静かに私の手の届かない世界へと旅立ちました。

「あの子は十分生きてくれた」「精いっぱいやり切った」という気持ちで、清々しい寂しさを感じました。

それでも喪失感は大きく、会社のトイレで涙を流したり、通勤電車の中で突然涙が溢れることが何度もありました。

テレビのペット特集も見ることができなくなりました。

もし今、悲しみにとらわれ深い谷底にいる方がこの文章を読んでくださるとしたら、「時間が一番の薬だよ」と伝えたいです。

今は自分の感情に蓋をせず、思う存分悲しみと寂しさに浸ってください。

時間が経つうちに記憶が薄れ、また新たな悲しみを経験しますが、必ず微笑とともに「大好きな、大事な愛おしいあの子」を思い出せる日がやってきます。

「あの子」はあなたの心の中の「大事なもの」の引き出しにしまわれていて、いつでも取り出して慈しむことができるのですから。